えっと、あの、勘兵衛様?
明るいところの方がよろしいのですか?
いえ、あの。
勘兵衛様がその方がよろしいのでしたら私は構いませんが、
ここって窓もあって
外からも丸見えなのではと思ったものですから。
奥の奥まで見えるよう? な、何を仰せですよう。
えと、はい。大丈夫です。
気にしてなぞおりませぬ。
それで、あの、はい?
え? そんな、あの……でもですね。
そんな。///////
えっと、でもそんなの…畏れ多いと言いますか。
どうしても…またがらなくてはなりませぬか?
だってそのような、
勘兵衛様の上へ、私なぞが。
ええ? その方が具合がいいのですか?
私が下にいるとよく見えない?
そうなのですか、気がつきませなんだ。
あ、ハイ。
それでは、失礼して………
あの、重くないですか?///////
いえあの、だって、
そりゃあ恥ずかしいですよ、こんな格好になるなんて。
それもこんな見通しの良すぎる場所で。
誰かの目に留まったらどうしますか。
気にするなって、それは…あのその、
勘兵衛様がそう仰せなら、あの。///////
あ、ははははいっ!
じっとしておりますが、あのあの、出来ればその、
痛くしないで下さいましね?
初めてだから判らないって…そんなぁ。
あっ、そんないきなり、つっ、痛い。
勘兵衛様、痛いです。動くなといわれましても、あっ
ですが、あの、痛っ!
どうしてこんな、痛…っ
カンベエ様のってたいそう太くありませぬか?
私のの倍はあるのでは?
あっ、そんな、手加減してくださると…。
い、痛っ、痛い…いた、いたい……
痛いです、痛い、勘兵衛様、いたい、いや…っ
「これ、大人しくせぬか。」
ですが、や…やめ、あ……いた、
痛い痛い、痛いですったら、あっ、痛いっ
「シチ、大人しくせねば却って痛むぞ。」
で、ですが、あの、あっ、
や、いやっ、痛いですっ、痛〜〜〜〜〜〜っっ
「……勘兵衛様、それて民芸品の土産もんちゃいますか?」
「お? これでやってはならぬのか?」
「どないですやろ。
微妙に大きいゆうか、加工が雑なんと違いますやろか。」
「えっ? あ、あのっ、何で良親さまが此処にっ?!」
「何でもなにも、チャイム押したのに出て来はれへんし。
何してはるやらて こっちぃ回ってみただけや。」
「え〜〜〜〜。/////////」
大体、それてやっぱり土産もんと違いますのん。
あ、そうですよ勘兵衛様、これを使われたんですか?
それになんちゅうカッコしてはるん、昼間っから。
いえあの、それはその………。////////
「耳掃除ゆうのんは、膝枕が定番ちゃいますのん?」
東京では、お膝へ跨って相手さんへしがみついてやりますのんか?
ううう〜〜〜〜。///////
勘兵衛様、そんなほども老眼進んではりますのんか?
良親、あんまり言葉が過ぎないか?
「何の。大方、シチが逆らわへん思てのご無体ですやろに。」
「う。」
「〜〜〜〜〜。/////////」
誰も見てへんて丸め込まはったんやろけど、
木曽の草の皆はんが久蔵へご注進しやはるのは必至ですえ。
「あ……。/////」
「おシチだけやったら、
俺が滞在しとぉホテルで匿うたってもええけど?」
……良親、何が望みだ。
何、大したもんやあらへん。
「勘兵衛様が大阪で使こてはる別邸、
クリスマスに貸し切りにさしてほしだけですよし。」
「判った。」
「……ご両人。」
ほな、木曽の皆さんを解放したってて、
ウチの身内へ言うとくよって、後はよしなに。
「ちょ…良親様? といいますか、
勘兵衛様も何ですか、今の取引は。」
「邪魔が入ってしもうたな。シチ、続きを。」
いえ、あの。
か、勘兵衛様、まだお続けになるのですか……?/////////
〜 なしくずし・どっとはらい 〜 10.11.17.
*大台までいよいよの 98作目が
いつぞやの 『 イタイ 』 を彷彿とさせるネタですいません。
世話を焼かれるばっかな勘兵衛様、
たまには女房孝行でもとか思ったらしいです、
……不器用なくせに。(苦笑)
拍手に使おうと書き始めたのですが、
こんなアホな勘兵衛様を
下手すりゃ一ヶ月近くも晒し者にするのも何ですので、
一時の恥の方に回すことにしました。
小説家の島田先生だと、
仔猫様の目があるからと、秘書様が絶対に嫌がりますので、
こちらのお二人で。(笑)
問題は、
何で須磨の皆さんが襲いかかったのかが判らない…
という草の皆さんからの報告が
帰宅した久蔵殿へ寄せられて、
自分がいない間に何があったんだと、
やっぱり詰め寄られる結果には
変わりないような気がすることでしょうね。(大笑)
めーるふぉーむvv 


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